受講生の質問から①「力率とは?効率との違いは?」

「力率とは何でしょうか?効率とどう違うのでしょうか?」
という質問をいただいたことがあります。

効率は、一般には仕事の能率のことをいいます。
電験3種の機械科目では、効率ηは、機械の出力[kW]と入力[kW]の比のことです。(言い換えれば、機械がした有用な仕事の量と、機械に供給されたエネルギーとの比です)
効率η=出力[kW]/入力[kW] [pu] (入力-出力=機械の損失)

力率(cosθ)は、交流回路で、負荷で消費される有効電力[W]と電源から送り込まれる皮相電力[V・A]との比で表されます。
力率=有効電力P[W]/皮相電力[V・A]=VIcosθ/VI = cosθ [pu]  (θは電圧と電流の位相差)

消費電力が100[W]で力率が0.8の負荷には、125[V・A]の皮相電力を電源から送り込む必要があります。力率は0~1[pu](0~100[%])の値になります。
※ [pu](パーユニット)は1に対する、[%]は100に対する割合のことです。

力率が0.8ということは送り出した電力のうち8割が有効な仕事をするので、力率は交流電力の効率を表しているともいえます。残りの2割は、無効電力Q[var]です。(Q=VIsinθ [var])
無効電力は、有効な仕事はせずに電源とコイル、コンデンサとの間を行ったり来たりしている(充・放電を繰り返している)だけです。

直流回路では負荷は抵抗負荷だけですが、交流回路では、抵抗負荷の他に誘導性負荷と容量性負荷があります。

誘導性負荷は、負荷の中に抵抗に加えてコイルがあるもので、コイルのインダクタンスが、誘導リアクタンスとなって電流の流れを妨げ、電流を電源電圧より遅らせます。
交流を使用する負荷の大半は、コイルを使ったモーターや変圧器が内蔵されているので誘導性負荷です。

容量性負荷は、抵抗に加えてコンデンサが含まれているもので、コンデンサの静電容量が容量リアクタンスとなって電流の流れを妨げ、電流を電源電圧より進ませます。
コイルやコンデンサにより、電圧と電流には位相差(電圧に対する電流の遅れ・進み)ができます。
この位相差(位相角)θは、力率cosθのθのことです。
負荷が抵抗のみの場合は電圧と電流は同相です。

力率が1に近いほど効率は良いのですが、通常、負荷にはリアクタンスがあるので力率を1に、つまり無効電力を0にはできません。ただし、調相設備により、力率を改善(1に近づける)することはできます。

また、無効電力=むだな電力とはいえません。例えば誘導性負荷ではコイルに流れる遅れ無効電流による無効電力によって、モーターや変圧器を機能させています。
例えば10のことを理解するのに、2時間ぶっ通しで勉強するよりも、途中で20分程度は休憩をはさんだ方が理解しやすいのではないでしょうか。
その20分は、有効な勉強時間ではないですが、むだな時間とはいえません。ただしあまり休憩時間が長くなるのも考え物ですが。

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