電験三種 平成26年度 試験出題傾向

平成26年度の試験について、科目別のポイントをまとめました。

■ 平成26年度 科目別出題傾向

〔理論〕

理論科目全体としては、基礎的な内容の理解がポイントとなる出題が多く、基本を押さえておけば合格が狙える出題でした。
また、今年の問題は複雑な数式を取り扱う必要がなかったため、例年ほど高い計算力は求められない傾向にありました。

A問題は、「静電気」「磁気回路」「磁界」「時定数」「計測」が各1問、「コンデンサ」「半導体」が各2問、「直流回路」が2問、「交流回路」が3問出題されました。そのうち、計算問題が9問、文章問題が5問でした。

「磁界」について出題された問4は、昨年までは「平面で考える」問題でしたが今年は「磁界の合成を立体的に考える」問題でしたので、法則の本質を理解していなければ解けない問題でした。
「コンデンサの回路」の問題であった問5は、回路が単純に見えるため簡単そうに見えますが、解き方が複雑な問題でした。

B問題は、交流回路が2問。選択問題として、電荷か半導体のどちらか1問を選択する問題でした。交流回路の2問は、基礎的なことの理解で解ける問題でした。しかし、選択問題は「電荷の性質」と「物理の運動方程式」を組み合わせた問17、理解が難しい分野である「半導体」の出題だった問18の2つからの選択でしたので、どちらを取り上げても難しかったのではないかと考えられます。

上記の4問以外は、特異な問題はなかったので、基礎を確実にしておけば、十分合格できたのではないでしょうか。

〔電力〕

電力科目全体としては、例年通りの出題傾向で、各分野の基本をしっかりと学習することが必要な出題でした。

A問題は、「水力発電」「原子力発電」「二次電池」「地中送電線路」「六ふっ化硫黄ガス」が各1問、「変圧器」「火力発電」「架空送電線路」が各2問、「配電線路・配電系統」が3問出題されました。

「二次電池」についての出題であった問5は、二次電池についての全般的な知識が問われたため、機械科目で出題されるような内容でした。

B問題は、「水力発電」「火力発電」「送配電の中性点接地方式」について各1問出題されました。
「送配電の中性点接地方式」について出題された問16は、アドミタンス計算をする問題だったため、これまでの出題傾向とは異なるものでした。

上記2問以外は特異な問題はありませんでした。電力について知識を深めることは範囲が広いため難しいですが、テキストにある基本を十分に理解することで、合格を狙えたのではないでしょうか。

〔機械〕

電験三種、最難関科目の機械ですが、今年は例年よりも取り組みやすい問題が多かったと考えられます。

A問題は、「同期機」「電動機の速度制御」「単相半波整流回路」「電熱」「電気化学」「自動制御」「情報処理」が各1問、「直流機」「変圧器」が各2問、「誘導機」が3問出題されました。

「単相変圧器」について出題された問7は、文字式の計算のため複雑に見えますが、変圧器の特徴である一次換算を理解していれば正解できる出題でした。
「電動機の速度制御」について出題された問9は、他励直流電動機と誘導電動機に関する問題で、両者を比較するのではなくそれぞれの特性を学習していれば、正解できる問題でした。

「誘導機」について出題された問4は、問題文に「V/f制御」という表記がなく、自分でV/f制御についての問題であると気づかなければならない問題でした。問題文に惑わされることなく、本質を理解していれば解けたのではないでしょうか。

B問題は「三相同期電動機」「直流チョッパ回路」「照明」「フリップフロップ回路」が各1問でした。
選択問題は「照明」に関する問17と、「フリップフロップ」についての問18からの選択でした。フリップフロップは難しい分野ですので、照明の問題を選択した受験生が多かったのではないでしょうか。「直流チョッパ回路」について出題された問16も複雑な問題だったので、B問題は「三相同期電動機」について出題された問15を確実に解き、選択問題で問17を選択することが攻略の鍵になったと考えられます。

機械の問題は上記の問4・問16・問18以外は例年より易しい問題だったので、今年機械を合格し、晴れて全科目合格できたという受験生も多いのではないでしょうか。

〔法規〕

法規全体としては、出題範囲はほぼ例年通りで、空白問題が多かったことから、択一問題が多かった例年と比べて正答率が高まるものと期待できる出題傾向でした。

A問題は、「電気関係報告規則」「電気工事士法」「電気工事業法」「変圧器の保守点検」「電気設備技術基準(電技)」から各1問、「電気事業法、同法施工規則」から2問、「電技解釈」から3問出題されました。
そのうち、空白問題が9問、不適切なものを選ぶ択一問題が1問で、法令文で使われている言葉や数値の暗記がポイントとなる傾向でした。

「電気関係報告規則」について出題された問2は、これまで“電気事故報告”に関する出題しかなかったのですが、今年初めて“自家用電気工作物を設置する者の発電所出力の変更等の報告”から出題されました。
「電気工事業法」について出題された問4は、電気工事業者の登録に関する問題で、平成7年度の新制度以降初めて出題されました。

B問題は「風圧荷重」「変圧器の需要率、負荷率」「進相設備」に関する計算問題でした。「進相設備」について出題された問13は、これまでに出題されていない問題でした。しかし、それ以外の2問はよく出題される問題でしたので、基本を押さえていれば、正解できたのではないでしょうか。最近の法規の傾向では、問13のような出題されたことがない問題からの出題が1問あります。しかし弊社としては、このような問題まで広く学習するよりも、毎年出題される問題について確実に理解しておくことを推奨しております。

問2・問4・問13の3問以外は頻出の法令からの出題でした。また、先にも述べましたが空白問題が多かったため、例年よりも正解しやすい問題が多かったのではないでしょうか。