RECIPE
さくっと合格レシピ
- 2016.07.18
- 電力
電圧に√3をかけているのはなぜ?
電力でよく電圧にをかけていることがあります。この
の正体は何でしょうか?
例題を用いて解説しましょう。
〔例題〕
図に示すような電力系統のF点で、三相短絡を生じた場合に、遮断器CBに流れる短絡電流〔kA〕として、正しい値を求めよ。ただし、定格電圧を20〔kV〕とする。
10 000〔kV・A〕ベースに統一して、5 000〔kV・A〕の20〔%〕を換算すると
20×10 000/5 000=40〔%〕
したがって、F点から電源までの合成は、
〔%〕
F点での定格電流は、
〔A〕
∴〔A〕
⇒〔kA〕≒
〔kA〕
この問題を解くときに、電圧20〔kV〕にがかけています。それはなぜでしょうか?
変圧器の容量〔kV・A〕の求め方(公式)は以下の2通りあります。
①×線間電圧×線電流
②=3×相電圧×相電流
通常、定格電圧20〔kV〕や定格電流などは指定がない限り、線間電圧、線電流を意味しています。
本問に出てくる2台の変圧器の容量は、という計算から求められます。したがって定格電流
を求める式は
が必要なのです。
注)「定格電圧や定格電流などは、指定がない限り、線間電圧、線電流を意味する」とは電験三種だけでなく、日本の電気界において日常的に使われていることです。電験三種もこの習慣に習って出題されます。
なお、「線間電圧」「線電流」「総電圧」「相電流」については、理論の「三相交流」という分野で詳しく取り上げています。