さくっと合格レシピ
- 2016.07.18
- 電力
風力発電のエネルギーと風速の関係
水力・火力発電以外に、電験三種では、風力発電の問題も出題されます。
この風速との関係は、風力発電ではよく出題されますので、覚えておきましょう。
それでは、例題をみていきましょう。
〔例題〕
次の文章は、風力発電に関する記述である。
風として連動している同一質量の空気が持っている運動エネルギーは、風速の(ア)乗に比例する。また、風として風力発電機の風車面を通過する単位時間当たりの空気の量は風速の(イ)乗に比例する。したがって、風車面を通過する空気の持つ運動エネルギーを電気エネルギーに変換する風力発電器の変換効率が風速によらず一定とすると、風力発電機の出力は風速の(ウ)乗に比例することとなる。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる数値を求めよ。
〔解説〕
風速を〔m/s〕、空気の質量を
〔kg〕とすると、運動エネルギーは
〔J〕となります。(空気に限らず、物質の運動エネルギーはこの計算です。)
よって、(ア)の答えは「2乗」となります。
次に、風車の受風面積を 〔
〕として、単位時間(1秒当たり)に風車を通過する空気量(=体積)は
〔
〕となります。
これは、図1のように考えるとわかりやすいでしょう。
図1を単純化すると、風車を通過する風は、図2のような立方体と考えられます。
ここから、風車を通過する空気の量(=体積)は 〔
〕と計算できます。
よって、(イ)の答えは「1乗」、すなわち、風車面を通過する単位時間当たりの空気の量は、風速の1乗に比例します。
さらに、空気の密度を〔
〕とすると、風車を単位時間に風車を通過する空気の質量
〔kg〕は、
を単位で計算すると〔kg〕=〔
〕×〔
〕となります。
この質量の式を、先ほどの運動エネルギーに式を代入すると
となって、「風力発電機の出力=風力発電機が風から受け取るエネルギー」ですから、(ウ)の答えは風速の「3乗」となります。