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さくっと合格レシピ
- 2016.07.18
- 電力
電圧降下率と力率改善の計算問題
電験三種では、電圧降下と力率改善の問題は頻出されるので、必ず解けるようになりましょう。
それでは、例題を見ていきましょう。
〔例題〕
電線1線の抵抗が5〔Ω〕、誘導リアクタンスが6〔Ω〕である三相3線式送電線について、次の(a)および(b)に答えよ。
(a)この送電線で受電端電圧を60〔kV〕に保ちつつ、かつ、送電線での電圧降下率を受電端電圧基準で10〔%〕に保つには、負荷の力率が80〔%〕(遅れ)の場合に受電可能な三相皮相電力〔MV・A〕の値を求めよ。
(b)この送電線の受電端に、遅れ力率60〔%〕で三相皮相電力63.2〔MV・A〕の負荷を接続しなければならなくなった。この場合でも受電端電圧を60〔kV〕に、かつ、送電線での電圧降下率を受電端電圧基準で10〔%〕に保ちたい。受電端に設置された調相設備から系統に供給すべき無効電力〔Mvar〕の値を求めよ。
〔解答〕
(a)電圧降下率というのは、電圧降下〔V〕と受電端電圧
〔V〕の比のことで、次式で表されます。
電圧降下率=〔%〕
(:送電端電圧)
また、三相3線式の線路電圧降下〔V〕を求める式は、次式になります。
〔V〕…(1)
(:負荷電流、
、
:電線1線分の抵抗、リアクタンス、
:負荷の力率)
題意により、〔%〕であるから、
電圧降下〔V〕
(1)式より、 ≒ 455.8〔A〕
(∴)
三相皮相電力〔MV・A〕は
〔V・A〕 ≒
〔MV・A〕
(b)(a)より、受電可能な三相皮相電力=47.4〔MV・A〕のとき三相無効電力
〔Mvar〕は、
〔Mvar〕
次に、遅れ力率60〔%〕三相相電力=63.2〔MV・A〕の負荷を接続した場合、三相無効電力
〔Mvar〕は、
〔Mvar〕
無効電力の差が、調相設備から系統に供給すべき無効電力〔Mvar〕になります。
≒
〔Mvar〕