さくっと合格レシピ
- 2016.07.19
- 機械
誘導電動機の二次入力、二次銅損、機械出力の比
機械科目の誘導機の分野では、二次入力:二次銅損:機械出力=1::
の比例式に関する出題が多いところです。
この比例式は必ず覚えておきましょう。
誘導電動機の原理と滑り
誘導機は動力用電動機として多用されており、通常、誘導機といえば三相かご型誘導電動機を指すことが多いです(同期機といえば三相同期発電機を指すことが多い)。
誘導電動機は、固定子巻線(一次巻線)に三相交流を流すことによって回転磁界をつくり、その回転磁界と回転子の巻線(導体)が鎖交することによって回転子巻線(二次巻線)に誘導電流が流れます。誘導電流によって回転子鉄心には磁極が形成され、回転磁界との磁気相互作用によって、回転子は回転することになります。
このとき、回転子の回転速度は回転磁界の速度(同期速度という)より、必ず少し遅くなります。
回転子の速度を 〔
〕、同期速度を
〔
〕とすると、その速度差の同期速度に対する比を滑り
といい、次の式で表されます。
〔%〕・・・①
通常の運転状態では滑り は、3~6〔%〕程度です。
また、回転子の回転速度〔
〕は式①より、
〔
〕
( 同期速度〔
〕 ただし、
:周波数〔Hz〕、
:極数)
誘導電動機の等価回路
三相誘導電動機が滑り で運転しているときの二次側1相分の等価回路は下図のようになり、(a)→(b)→(c)と描きかえることができます。
(a) は、滑り で運転しているとき、二次誘導起電力は
(停止時の誘導起電力に滑り
をかけた値)となり、二次側リアクタンスは
になります。抵抗
は、回転速度(周波数)に無関係なので、運転時も停止時と同じ値になります。
(b)は、(a)の各値を で割った等価回路です。
〔A〕であるので、(a)→(b)にしても良いです。
(c)は、負荷抵抗 を書き入れた等価回路です。
で消費される電力が誘導電動機の二次出力(機械出力)に相等します。
ここで負荷抵抗 で表されます。
また、
したがって、(b)→(c)にしても良いです。等価回路(c)より、(三相分で考えると)
二次入力 は、
二次銅損は、
機械出力 は、
となります。
よって、それぞれを比で表すと、
:
:
=
:
:
=
:
:
となる。