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電圧に√3をかけているのはなぜ?

電力でよく電圧にをかけていることがあります。この\displaystyle \sqrt{3}の正体は何でしょうか?

例題を用いて解説しましょう。

 

〔例題〕

図に示すような電力系統のF点で、三相短絡を生じた場合に、遮断器CBに流れる短絡電流〔kA〕として、正しい値を求めよ。ただし、定格電圧を20〔kV〕とする。

04-1d

10 000〔kV・A〕ベースに統一して、5 000〔kV・A〕の20〔%〕を換算すると

20×10 000/5 000=40〔%〕

したがって、F点から電源までの合成\displaystyle \%Z_0は、

\displaystyle \%Z_0 = \frac{40 \times20}{40+20} = \frac{800}{60} = \frac{40}{3}〔%〕

F点での定格電流\displaystyle I_Nは、\displaystyle I_N=\frac{10 000}{\sqrt 3 \times 20} = \frac{500}{\sqrt 3}〔A〕

\displaystyle I_S=\frac{500}{\sqrt 3} \times \frac{100}{\frac{40}{3}} = \frac{5 000 \times 3}{\sqrt 3 \times 4} = \frac{1 250 \times 3}{\sqrt 3} = 1 250 \sqrt 3〔A〕

\displaystyle 1.25 \sqrt 3〔kA〕≒\displaystyle 1.25 \sqrt 3〔kA〕

 

この問題を解くときに、電圧20〔kV〕に\displaystyle \sqrt3がかけています。それはなぜでしょうか?
変圧器の容量\displaystyle P〔kV・A〕の求め方(公式)は以下の2通りあります。

\displaystyle P=\sqrt3×線間電圧×線電流

\displaystyle P=3×相電圧×相電流

 

通常、定格電圧20〔kV〕や定格電流などは指定がない限り、線間電圧、線電流を意味しています。

本問に出てくる2台の変圧器の容量は、\displaystyle 10 000=\sqrt3\times20\times I_Nという計算から求められます。したがって定格電流\displaystyle I_Nを求める式は\displaystyle \sqrt3が必要なのです。

注)「定格電圧や定格電流などは、指定がない限り、線間電圧、線電流を意味する」とは電験三種だけでなく、日本の電気界において日常的に使われていることです。電験三種もこの習慣に習って出題されます。

 

なお、「線間電圧」「線電流」「総電圧」「相電流」については、理論の「三相交流」という分野で詳しく取り上げています。

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カテゴリー: 合格レシピ:電力