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電圧降下率と力率改善の計算問題

電験三種では、電圧降下と力率改善の問題は頻出されるので、必ず解けるようになりましょう。
それでは、例題を見ていきましょう。

〔例題〕

電線1線の抵抗が5〔Ω〕、誘導リアクタンスが6〔Ω〕である三相3線式送電線について、次の(a)および(b)に答えよ。

(a)この送電線で受電端電圧を60〔kV〕に保ちつつ、かつ、送電線での電圧降下率を受電端電圧基準で10〔%〕に保つには、負荷の力率が80〔%〕(遅れ)の場合に受電可能な三相皮相電力〔MV・A〕の値を求めよ。

(b)この送電線の受電端に、遅れ力率60〔%〕で三相皮相電力63.2〔MV・A〕の負荷を接続しなければならなくなった。この場合でも受電端電圧を60〔kV〕に、かつ、送電線での電圧降下率を受電端電圧基準で10〔%〕に保ちたい。受電端に設置された調相設備から系統に供給すべき無効電力〔Mvar〕の値を求めよ。

〔解答〕

(a)電圧降下率というのは、電圧降下\displaystyle v〔V〕と受電端電圧\displaystyle V_r〔V〕の比のことで、次式で表されます。

電圧降下率=\displaystyle \frac{v}{V_r}\times100 = \frac{V_x-V_r}{V_r}\times100〔%〕

\displaystyle V_x:送電端電圧)

また、三相3線式の線路電圧降下\displaystyle v〔V〕を求める式は、次式になります。

\displaystyle v = \sqrt3 I(R\cos\theta+X\sin\theta)〔V〕…(1)

\displaystyle I:負荷電流、\displaystyle R\displaystyle X:電線1線分の抵抗、リアクタンス、\displaystyle \cos\theta:負荷の力率)

題意により、\displaystyle \frac{v}{60 000}\times100=10〔%〕であるから、

電圧降下\displaystyle v=\frac{10\times60 000}{100}=6 000〔V〕

(1)式より、\displaystyle I=\frac{v}{\sqrt3(R\cos\theta+X\sin\theta)}=\frac{6 000}{\sqrt3\times(5\times0.8+6\times0.6)} ≒ 455.8〔A〕

(∴\displaystyle \sin\theta=\sqrt{1-0.8^2}=0.6

三相皮相電力\displaystyle S〔MV・A〕は

\displaystyle \sqrt3 V_r I=\sqrt3\times60 000\times455.8=47 368125〔V・A〕 ≒ 47.4〔MV・A〕

(b)(a)より、受電可能な三相皮相電力\displaystyle S=47.4〔MV・A〕のとき三相無効電力\displaystyle Q〔Mvar〕は、

\displaystyle Q=S\sin\theta=47.4\times0.6=28.44〔Mvar〕

次に、遅れ力率60〔%〕三相相電力\displaystyle S'=63.2〔MV・A〕の負荷を接続した場合、三相無効電力\displaystyle Q'〔Mvar〕は、

\displaystyle Q'=S'\sin\theta=47.4\times0.8=50.56〔Mvar〕

無効電力の差が、調相設備から系統に供給すべき無効電力\displaystyle Q_c〔Mvar〕になります。

\displaystyle Q_c=Q'-Q=50.56-28.44\displaystyle 22.1〔Mvar〕

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カテゴリー: 合格レシピ:電力