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誘導電動機の二次入力、二次銅損、機械出力の比

 

機械科目の誘導機の分野では、二次入力:二次銅損:機械出力=1:s(1-s) の比例式に関する出題が多いところです。

この比例式は必ず覚えておきましょう。

 

(1) 誘導電動機の原理と滑り

誘導機は動力用電動機として多用されており、通常、誘導機といえば三相かご型誘導電動機を指すことが多いです。

(同期機といえば三相同期発電機を指すことが多い)

誘導電動機は、固定子巻線(一次巻線)に三相交流を流すことによって回転磁界をつくり、その回転磁界と回転子の巻線(導体)が鎖交することによって回転子巻線(二次巻線)に誘導電流が流れます。

誘導電流によって回転子鉄心には磁極が形成され、回転磁界との磁気相互作用によって、回転子は回転することになります。

このとき、回転子の回転速度は回転磁界の速度(同期速度という)より、必ず少し遅くなります。

回転子の速度を \displaystyle N\displaystyle \rm min^{-1}〕、同期速度を \displaystyle N_{S}\displaystyle \rm min^{-1}〕とすると、その速度差の同期速度に対する比を滑り \displaystyle sといい、次の式で表されます。

\displaystyle s = \frac{N_s-N}{N_s} \times 100〔%〕・・・①

通常の運転状態では滑り \displaystyle s は、3~6〔%〕程度です。

また、回転子の回転速度\displaystyle N\displaystyle \rm min^{-1}〕は式①より、

\displaystyle N = N_s(1-s) = \frac{120f}{p}(1-s)\displaystyle \rm min^{-1}

( 同期速度\displaystyle N_{s} = \frac{120f}{p}\displaystyle \rm min^{-1}〕 ただし、\displaystyle f:周波数〔Hz〕、\displaystyle p:極数)

 

(2) 誘導電動機の等価回路

三相誘導電動機が滑り \displaystyle s で運転しているときの二次側1相分の等価回路は下図のようになり、(a)→(b)→(c)と描きかえることができます。

08-1k

(a) は、滑り \displaystyle s で運転しているとき、二次誘導起電力は\displaystyle sE_{2}(停止時の誘導起電力に滑り\displaystyle s をかけた値)となり、二次側リアクタンスは\displaystyle sx_{2} になります。

抵抗\displaystyle r_{2} は、回転速度(周波数)に無関係なので、運転時も停止時と同じ値になります。

(b)は、(a)の各値を \displaystyle s で割った等価回路です。

\displaystyle I_2 = \frac{sE_2}{\sqrt{r_2+(sx_2)^2}} = \frac{E_2}{\sqrt{ \left( \frac{r_2}{s} \right)^2+{x_2}^2}}〔A〕であるので、(a)→(b)にしても良いです。

(c)は、負荷抵抗 \displaystyle R を書き入れた等価回路です。

\displaystyle R で消費される電力が誘導電動機の二次出力(機械出力)に相等します。

ここで負荷抵抗 \displaystyle R = \left( \frac{1-s}{s} \right) r_2 で表されます。

また、 \displaystyle r_2+R = r_2+ \left( \frac{1-s}{s} \right) r_2 = \frac{r_2}{s}

したがって、(b)→(c)にしても良いです。等価回路(c)より、(三相分で考えると)

 

二次入力\displaystyle P_{2} は、\displaystyle P_2 = 3I_2^2 \left( r_2+R \right) = 3I_2^2 \left( \frac{r_2}{s} \right)

二次銅損\displaystyle P_{c2}は、\displaystyle P_{c2} = 3I_2^2 r_2

機械出力 \displaystyle P_{m}は、\displaystyle P_m = P_2-P_{c2} = 3I_2^2 \left( \frac{r_2}{s} \right) -3I_2^2 r_2 = 3I_2^2 R

となります。

 

よって、それぞれを比で表すと、

\displaystyle P_2 : \displaystyle P_{c2} : \displaystyle P_m = \displaystyle 3I_2^2 r_2 \left( \frac{r_2}{s} \right) : \displaystyle 3I_2^2 r_2 : \displaystyle 3I_2^2 r_2 \left( \frac{1}{s} \right) r_2 = \displaystyle 1 : \displaystyle s : \displaystyle (1-s)となる。

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カテゴリー: 合格レシピ:機械
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